サブスク解禁に伴い、
1st EP「MARSBERG SUBWAY SYSTEM」を
古川貴之、松本翔が徹底解説!
1st EP『MARSBERG SUBWAY SYSTEM』セルフライナーノーツ
Ⅰ:MARSBERG SUBWAY SYSTEM
僕たちって、ロックンロールを通じて出会ったんですよね。だから皆、言うなれば実家は一緒、みたいな(笑)。ダークで激しい音楽が好きだし、憧れてきたものが皆同じなんです。そして今もこういう曲にドキドキして、まだ夢を見ていたいから楽器を弾いたり歌ったりしている。そんな4人だからこそ、こうして集まって一緒にバンドをやってるんだろうなって再認識できた曲でした。エネルギーに溢れていて、バンド名を冠するのに相応しい曲だと思います。(松本)
Ⅱ:0.14パーセントの星屑
古川が、一番悩んで絞り出して作った曲ですね。それは今までのキャリアや自分自身との戦いでもあっただろうし、命を感じるメジャーキーっていうのもハードルが高かったみたいで。だからこそ同じ熱量で返さないと、って気持ちがあったから僕もギターに一番悩んだ曲でした。でも最終的にはすごく大好きな曲になったし、曲のテーマしかり、この4人じゃないとできない曲だな、と思ってます。メジャーキーだけど少し悲しげなところがあったり、エネルギッシュな面もあったり、めちゃくちゃ表現が難しいんです。だから、このメンバーじゃないとたぶん演奏できない。それに、古川がこの曲が完成したときに「ひとつ越えられた気がする」って言ってくれて。その言葉がすごく自信になったし、これからも色々なものを正解にしていけるバンドだなって思えた曲。(松本)
Ⅲ:シャーリーブラウン
僕は普遍的に捉えられる楽曲が好きなので、聴いた人によって自分の好きな人だったり友達だったりを思い浮かべてくれたら良いんですけど、僕自身この曲の「お前」はTHE PINBALLSのお客さんの顔を思い浮かべながら作ってました。この曲をバンドに持ち込んだとき、最初は上手くまとまらなくて悩んだけど、みんなで試行錯誤した結果テンポを上げてみたらバシっと決まって。歌詞のテーマともリンクするけど、やっぱり一人じゃ何もできなくて、メンバーがいるから正解に辿りつける。きっと俺は、ひとりでどこかに行ったって、結局寂しくなって好きな人のところに戻るのが目に見えてるから。だから、今いる場所を大事にしなきゃいけないし、そう思える仲間に出会えたのもTHE PINBALLSのお客さんのおかげだから、その両方に感謝しながら歌っています。(古川)
すごく古川らしい曲。彼の作る曲は独特な、西洋的な香りがあるんですよね。それが最初に聴いたときにフワっと香って。その空気感がまず良いな、と思いました。そして僕が好きなのは、歌詞。とにかく情けないんです。僕も自分のことを情けないなって思うことがすごく多くて……。でも強がりたいじゃないですか、男の子って。もちろん聴いた人によって、受け取り方は色々あると思うんですけど、僕にとってはそういう男の心情に寄り添ってくれる曲。それが西洋的でちょっとお洒落なメロディーで歌われているのがまた絶妙で。演奏に関してはそれぞれ頭で考え過ぎずにすごくナチュラルにやってるんだけど、ベースとドラムがめちゃくちゃ良い。曲の雰囲気にピッタリでとても心地良いビートになっています。(松本)
Ⅳ:太陽と雲雀
2人で最初にスタジオに入ったときに聴かせてもらって、これは新しいバンドできるな!って確信した曲。僕は元々THE PINBALLSのファンだったから、彼の作る音楽は知ってるつもりだったけど、こんなに剥き出しの曲は初めてで。哲学的な考えを持ってる人だから、頭で考えて作られたであろう曲が多くて、それはそれで好きだったんですけど、この曲には今までにない生々しさがあるな、と。ただ、結成の発表と一緒に披露するのは、バンドのイメージとかを考えるともう少しロックな曲が良いのかな、と思ったんですけど今はこの曲で良かったなって思ってます。だから、あの時押し通してくれて良かった。言葉にするのが難しいけど、彼の心がそのまま出た曲だから、聴いたらきっと感動できると思う。僕も今でも泣けるし、感動するし、何よりこの曲がなければバンドが始まっていなかったかも知れない。とても大事な曲です。(松本)
edited by イシハラマイ